雪日
透き通るような彼の肌に似ていると。
降りしきる雪を見て思った。
ひやりと冷たい感触もそっくりで。
触れると溶けて、消える処すら同じような錯覚。
「…お前は、消えないよな?」
「…何を考えていたのかは知らんが」
大体、想像がつく。
苦笑混じりで呟く周瑜が、孫策の襟を掴んで引き寄せた。
至近距離で見詰め合うのは、久しぶりだなんて思っていると。
「心配なら、きちんと掴まえておけ」
囁きと共に、頬に口づけられる。
「…後で、束縛は嫌だとか言うなよ」
返事の代わり、綺麗な笑みを浮かべたその紅い口唇に。
ゆっくりと自分の口唇を重ねた。
少しだけひやりとした口づけ。
口唇を離して目を開けると、目の前の周瑜の睫毛の上で融ける雪が目について。
羨ましい、なんて馬鹿な事を考えた。