START

 

嗅ぎなれない薬品臭が鼻につく。

どうやら床よりも柔らかい、けれども決してふわふわとはしていないものに横たわっているようで。

ゆっくりと瞳を開けると、眩しい光。

自分を取り囲む全てが白く、光の眩しさを増強させていた。

「…気がついたようだね」

ふと声をかけられて、反射的にその方向を向くと。

「白鳥、さん…?」

横にあるパイプ椅子に腰掛けて。

文庫本を読んでいた白鳥が、無造作にブックマークを挟んで本を閉じていた。

「…本当に君は運が良い。外傷は少々あるものの、その他は全く異常ないそうだよ」

そういえば犯人に背後を取られて、思い切り頭を殴られたんだっけ。

と、高木が思い出す。

気を失ってたらしい。

やっと、状況が把握できた。

つまり、病院の一室にいるのだろう。

「…あの、白鳥さん。僕、どれ位…」

「丸2日くらい目を覚まさなくてね。少々気がかりだった」

…まるで実感がない。

2日、なんて。

 


いや、ていうか。

それよりも。


ふと、高木は思い当たる。

「…白鳥さん。まさか、その間、ずっと…?」

「あ…いや」

疑問をぶつけると、白鳥が少し口篭って。

でも、その態度と。

何よりも、窓の桟に積まれた難しそうな本達が、全てを物語っていて。

「……ありがとう、ございます…」

「…こうでもしないと有給の消化も出来やしない」

高木がお礼を言うと、ふとため息をついてそう呟く。

最もらしい言い訳。

何だか、何と言うか。

とても、可愛らしく思える。

というものおかしいかもしれないけど。

 

白鳥さんて。

結構不器用なんだな、とか。

素直じゃないんだな、とか。

考えたら思わず笑いがこみ上げてきて。

 

ほのかに灯る、この想いが。

尊敬以上のものだという事に気づくのは、まだ先の話で。


刑事の恋って、結構厄介かもしれないけれど。


さぁReady Go!


スタートを切ろう。

 

 

書いていたら本当に最初考えていた話と別物になったうえ、
彼らも別人に…(涙)。
FANの方々に本当に申し訳ないです。
意味不明な話ですしね…。
もしかしたらそのうち話書き直しているかもしれません…(そういうのばっかり)。
最後の一文は同タイトル曲から…。
恐縮ですが。

蛇足的には、うちのサイト。
同じ人を含む別CP同士は全く繋がっていません。アナザーワールド。