白昼の淡泪色彩
奉孝殿が眠ったのを確認して、部屋を後にした。
気付かれませんように。
強く念じた。
まるで言霊か呪文のように。
自分がこんなに不謹慎だと思っていなかった。
熱の所為で熱い手を。
何かと錯覚して。
離したくないなどと、思った。
こんな、不道徳な人間だとは…自覚していなかった。
知りもしなかった。
在ってはいけないこの気持ちは、きっとすぐ消える。
一時の気の迷い。
だから、気にしないように。
鼓動がこんなに速いのも、こんなに切ないのも。
…気がつけば彼の事ばかり考えているのも。
気の迷い。
全て。
だから。
早く、さめて欲しい。
熱が伝染ったように熱い、身体も。
こんな、背徳の白昼夢も。
なんだかよくわからない話になってしまいましたが(汗)
「色素」の直後の話というか。
陳羣の独白な感じです…。
UPするのが遅くなりましたが。
色素の次の日には出来上がっていた文章でした。。。
まだ、お互いの気持ちを知らない頃の話です。
2004.08.xx