六花

 

 

白い六花が舞い降りる、いつもより少し寒い、冬の日。

シゲルの元に、届けられた包み。

淡いグリーンのラッピングに、ルミナスレッドのリボン。

差出人の名前はなくて。

それなのに。

当然のようにわかってしまう、差出人。

溢れるドキドキ感は、自分でセーブできないくらいで。

 


どうしてかは、わからないけど。

「わかっちゃうんだよねぇ…」

くすり、と。

半分自嘲のような笑みを洩らして。

ラッピングを丁寧に解くと、中には大きなハートのチョコレート。

アラザンが散りばめられたりして、結構鮮やかで。

添えられたメッセージカードには、「大好き」の一言。


「……可愛いコト、してくれるよな…全く」

そういうと。

シゲルはチョコレートにキスをして。

ほんのりと唇に感じる甘みに、くすぐったさを覚える。

「…大好きだよ」

本人に言うように囁いて。

君が出向いてくれればもっと良かったのに。

なんて、似合わない我侭を言ってみる。


…お返しは。

どうしようかな、と声に出して考えて。

何だか、大好きの気持ちが相当大きいらしい自分に。

思わず、シゲルは幸せな微笑み混じりの苦笑を零した。



 

会えなくても中々連絡が取れなくてもなんだかんだでラブラブでいてくれるといいなと思います。
チョコレート作りの講師はタケシあたりで(ぇ)
なんだかんだで幸せなバレンタインをvという事で。
離れていても幸せなんだよ。と。

2005.02.14