「あのクソ兄貴…」
苛つきを隠そうともせず、次男が呟く。
よほど自分の事が嫌いなのか、それともよほど弟の袁尚の事が愛いのか。
或いは、その両方か。
事ある毎に、袁尚に甘い顔を見せる長男に苛々する。
袁煕が長男の袁譚に声をかけようとする事自体が珍しいのだが。
そういう時に限って、袁譚と袁尚が仲睦まじく話し込んでいたりするのだった。
疎外感とか、寂しいとか、そういうものではなく。
時々弟の頭を撫でたりする、自分に対する態度とは全く違うそれを見ると無性に腹が立つ。
兄に対してなのか、弟に対してなのか解らないけれど。
よくよく考えてみれば、当然なのかもしれない。
口をきいたらきいたで反発しかしない、喧嘩にしかならない弟よりは。
穏やかで、優しい末の弟の方が兄にしたら可愛いのだろうと思う。
それが何だか酷く腹立たしくて、悔しくて。
この苛つきを兄にぶつけに行こうと、袁煕はきびすを返した。
拍手をくださった皆様、ありがとうございました!!
実は大好きです袁兄弟。長男と次男。