もう、逢う事も無いと思っていた。
想いも、未練も。
道を違えた時に断ち切った筈だった。
それなのに。
触れられる程の距離に、揺れる。
断ち切れてなどいない想いにひかれた。
「…此方を火の海にするか」
「此方が沈んでも、お前だけは助かるさ」
「士元」
「…お前は逃げろ」
そう言って。
堪え切れなかったように、龐統が徐庶を抱きしめる。
「…難儀なものだな」
断ち切れていない想いは、お互い同じだ。
戸惑ったような表情を見せる徐庶が微かに呟いて、ゆっくりと目を閉じた。
拍手をくださった皆様、ありがとうございました!!
加筆・修正する前のお話でした…。