事あるごとに、酒宴を開きたがる君主を持つと大変だと、実感する。
廻ってくる盃も、乾せと言われる量も限界を超えていて。
珍しく、酒を過ごしたらしい夏侯惇を連れ帰って看病したのが、昨日。
看病するつもりが、看病だけに留まらず。
寝付いたのは、今日の陽が昇り始めた頃。
酒の所為にするつもりなど、毛頭無い。
ただ、酒と行為の所為で未だ起き上がれずにいる彼に、酷い罪悪感。
そして、曹操にはどう説明しようかと、夏侯淵が頭を悩ませていると。
「昨日はご苦労だったな」
後ろから、不意に声を掛けられて不覚にも動揺した。
声の主など、振り返らなくても解る。
まさに今考えていた人物。曹操、その人だ。
「いや…」
宴の事かと、返事を返すと。
「惇の看病。大変だっただろう」
耳元に吹き込まれて僅かに動揺する。
「…っ」
とっさに振り返ると面白そうな顔。
「今日は暇だ。一日くらいゆっくりしろ」
何処まで知ってるかなど、愚問。
自分だけに向けた言葉では無い事も、明らかだ。
表情と同じくらい、軽快な足音で遠ざかる彼を。
夏侯淵は困った顔で見送った。
拍手をくださった皆様、ありがとうございました!!
実は好きなCPでした…。