No.1!?

 

「…っていうか、すごい今更なんだけど」

2人の手にはホットチョコレート。

案外甘すぎないものなのだな、と。

結構どうでもいい事を考えつつ。

「…ム?」

「…僕の、小学の頃好きだった子。覚えてる?」

すごい今更に加えて、凄く突然だ。

思いつつも、御剣は思い当たる事があったらしく。

「…ルミくん、だったか」

そう呟いて、ホットチョコレートを一口。

暦ではもう2月だ。

小学生だった頃のバレンタインでも思い出しているのだろう、と。

何となく思う。

「…うん。御剣は知ってたよね」

「……それが、どうかしたか?」

「…ん〜。何て言うか。小学生の頃って、無邪気に罪深い事してたんだなぁって」

苦笑して、成歩堂もホットチョコレートに口をつける。

「何の話だか見当もつかないのだが」

「ほら、それ位の頃ってさ。

恋愛感情がどうとかじゃなくて…可愛いと思ったから好き、だったなぁって。

1番目に好きなのはあの子で、2番があの子、とかね」

好きな人に順番つけるなんて今ではありえないよね。なんて軽口で。

「…そんな事をしてたのは成歩堂くらいじゃないか?あと、矢張と」

「い…いやいやいや、結構そんなんだったって!みんな!」

「…ふぅん?」

色々と問いたい事もあったけれど、それはせず。

揶揄混じりの相槌で先を促して。

「…って言っても。僕だってそんなに好きな人がいたわけじゃなくて。

…ルミちゃんは女の子で一番好きだったんだけど」

話の筋が解ったような、解らないような。

あえて口は挟まずに、黙って聞く。

御剣が視線で続きを促すと、成歩堂が一度ホットチョコレートをゆっくり口に運んで。

「…一番好きな人、他にいたんだよね」

 


…何だか恐らく、続く言葉が解った、気がする。

けれど。

流石にそれを言えるわけもなく。


「…で?そのコというのは?」

「…誰だと思う?御剣」

「…知るか」

「解ってるクセに」

囁くと、御剣の顔に朱が走る。

最近崩れ気味なポーカーフェイスが、とても愛しい。

 


「…好きの大売り出しをしてる奴の事など、私は知らん」

「ちょ…だから!あの頃は可愛いから好き、とかそういうレベルだったんだって!

お前以外は!」

 


勢いで。

思わずぶちまけて。

…けしかけた御剣が、驚いて目を幾度か瞬かせた。

何となく、想像はついていたのに。

 


「……」

「…だから。一番好きだったのは、オマエ。あの頃から…今も、ずっと」

「…ビョーキ、だな」

「知ってる。結構末期」

悪態に肯定して。

不毛なやり取り。

思わず、どちらからともなく笑みが零れる。

「…だから、今年は御剣からのチョコが欲しい」

「冗談はよせ」

「ホンキですけど」

「尚悪い」

くつくつと、2人で笑ったまま。

睦言のような甘さで、言葉を交わして。

「いいじゃん、チョコくらい」

「……考えておく」

背後から抱きついてくる男に観念したように呟く声。

 

僕って結構ゲンキンな奴かもしれない。

解ってるけれど。でも。

どうやら、今年から。


バレンタインが大好きになりそうです。

 

 

 

 

 

色々捏造ですみません(汗)。
ドリマガのバレンタインの話を見て思い立った話です…。
何だかほかにも色々あるんですが。
なんというか、矛盾だらけになるのでこの話でまとまりました。
何だか狙ってるちっくなドリマガに不覚にも萌えました……!!
結構自己満足な話になっています。
すみません。
故に結構めちゃくちゃ。