求めるもの

「お前は…義父上に何を希求している」
「何を、とは」
呂布の口から紡がれた、突然の問いに。
珍しいとでも言いたげな視線を向けつつ、李儒が問い返す。
「…狂信的に付き従う理由が、理解出来ぬ」
地位や名声や国など、価値のあるだろうものを。
進んで自らは受け取ろうとしない、李儒の本心が読めないのだろう。
訝しげな表情で見据えられた。
「…董卓様に訊いてみたら如何です?」
「義父上が知っていると?」
「さあ。どうでしょう」
「…何を企んでいる」
少し考えれば思い当たる筈の事実に。
本当に気付いていないのか、それとも予想は付いているのか。
どちらにしても。
「…呂布には教えてあげません」
にこりと笑ってそう告げると、徐々に憮然とした表情へ。
そのあまりに素直な反応が面白くて、李儒は思わず声を立てて笑った。





李儒に夢を見てると言われそうです。すみません。
でも実は結構普通の人っぽいなぁと思うんですが(笑)。
ついでに案外、感情的っぽい気がします。
二面性のある人のような。