恋、願う





「もしも、」

「…ん?」

星降る夜更け。

開け放った窓から見える光に、不意に手を伸ばして魯粛が呟く。

「何でも、1つだけ願いが叶うとしたら何を願います?」

「…随分、唐突な」

「何となく、です」

相変わらず、微笑みを崩さず。

にっこりとしたままの魯粛に、諸葛瑾も口許に笑みを浮かべて。

「…アンタなら、何を願う?」

「……今、目の前にいる人から、目一杯の愛と抱擁を」

「……叶えてあげたら、あたしの願いも叶えてくれるのかい?」

そう囁いて。

諸葛瑾が、魯粛を強く抱きしめる。





「…訊いてみてから、考えます」

重なる鼓動も、吐息も体温も、全てが心地良くて。

そっと呟くと、魯粛はゆっくり目を閉じた。







七夕!ということもあり、
ラブラブっぽく(笑)。
テーマは、星と願いと夜更け。

2007.08.07