恋風
執務中の麋竺を、劉備が外へ引っ張り出したのがつい先刻。
彼は、いつも嵐のようで。
「何処かに用事でも?」
「特に何も。外に出たかっただけだ」
引っ張って来られた理由が掴めずに問うと、にっこりと笑ってそう告げられる。
「は…?」
「良い天気だし。中にいるのは勿体無いだろ?」
確かに、空は気持ち良い程の青。
劉備の言い分も理解できるけれど。
「…だからって執務を放棄しないで下さい…」
「この場合、お前も共犯だけどな」
ため息をついた麋竺に、悪戯っぽい笑みで返して。
言葉に詰まった彼の手を引いて、歩き出す。
「劉備殿…」
「今日は付き合え」
「…解りましたから…手を放してください」
視線の先は、自然と繋がれた手。
他意が無いのも、無意識なのも知っているけど。
恥ずかしい以上に、意識してしまって動揺する。
「…嫌だ」
「何でですか」
「逃げそうだから」
「逃げません」
そう言って麋竺が自ら手を放そうとするものの。
逃がすまいと繋ぐ手に力を込められた。
彼は、いつも嵐のようで。
恋の風が吹き荒れる。
ハッピーバレンタイン!
中学生かよ!と思いました(笑)。
相思相愛かなと…。
本当はラブラブな麋竺と劉備が書きたかったんですが玉砕(涙)。
皆様、素敵なバレンタインをお過ごしください!!
2007.02.14