「兄弟そろってお美しい」 微笑んだままそう告げる、その言葉は。 真実なのか上辺の言葉なのか解らない位に穏やかだった。 「……それは、恐悦至極」 恭しく言葉を返して、心の内の読めない表情を見遣る。 その視線に気付いたらしい魯粛は、一層笑みを深くして。 「他意はありません。…ただ、あなたが綺麗だと思っただけです」 完全に虚を衝いて囁かれた言葉。 諸葛瑾は、驚いて思わず目を瞬かせた。 それを嬉しそうに見る魯粛の、風になびく薄い翠の服を目の端に捉えながら。 諸葛瑾は珍しく、困ったように眉根を寄せていた。 |