「終わらせて参りました」
まるでそれが造作無い事だったかのように告げる、李儒の声に董卓は目線を上げた。
「…早かったな」
「相国の命とあらば」
口元に笑みを掃いたままの李儒の頤を捉えて、ついと持ち上げる。
「流石よ…」
胸の内は解らぬが、と。
探るような視線で李儒の瞳を見透かした。
「…貴方様の御役に立つ事だけを、考えております」
偽りのない本心を囁くように呟くと。
身を任せるように目蓋をゆっくりと下ろした。