背徳



背徳



兄弟である事を誇りに想っていたのはいつだったか。

兄弟であった事に安堵した想いは何だったのか。





深くなれば深くなるほどに、

兄弟である事実を、忌々しいと思った。





兄弟じゃなければ、良かった。

そうすれば。





憎むことも、愛することも。

背徳などではなかったのに。







子瑜には幸せになってほしい。
のだけどな…。