初めて彼に出逢った時に。
ひどく幼い、と思ったことだけ強く記憶に残っている。
実直かつ純真。
言ってしまえば、単純ともとれそうな、そんな彼から、
気がついたら、目が離せなくなっていた。
ああ、恐らく。
この感情に囚われれば、抜け出せないだろうことは解っている。
言うなれば、それこそ。
砂の海に足を捕らわれるがごとく。
生涯、抜け出せない。