証
身体の至る処に噛み付くような口付けを施した。
無遠慮に立てる爪。
快楽を追いかける情交。
もう相当の時間、そんな事をやっていて。
噛み痕も引っ掻き傷も数え切れない位散るお互いの身体には、
口付けた鬱血痕も無数に残っている。
「……ひっでぇんですケド。カラダ」
賛牙が、掠れた声でそう言って、恨めしげに隣の闘牙を睨み付ける。
「あんだけ激しいコト、何回もシてたら身体もガッタガタになるだろ」
「死ねバカ。そんな話してねぇよ」
闘牙が全てを言い終わるか否かのところで、賛牙が闘牙を思い切り蹴り飛ばした。
「いってぇな!」
「カラダの痕の話だっての。明らかに隠せないようなトコロにつけやがって」
「お前もヒトの事言えねぇだろ…」
たとえば、首筋や、臍の辺りとか。
普段露出している処にさえ、無遠慮に散らされている情事の痕は、
隠す術がないほどで。
「どーすんだよ」
「……別にいいんじゃねぇ?」
「よくねぇよマヌケ」
賛牙は、軽い口調で紡いだ闘牙の言葉を一刀両断すると。
そのまま、その首筋に噛み付いた。