哀 NEED LOVE


我ながら愚かだとは思う。

執着だの、後ろ髪ひかれる想いだの…。

そのような浅はかな思考があって良い筈はない。

良い筈が無いのに。

愚かな事にそのようなナンセンスな想いに振り回されている事に、

気づかない程愚かではない。



愛するが故の犯行だと、告白などできようか。

我と、彼を結ぶ唯一つの絆だからと。

理解出来る者など、存在しない。

然れば、怪人は怪人のまま、盗人に仕立て上げ。

名探偵は名探偵らしく。

役割を果たすのみ。

喜劇のようであるそれは、悲劇の始まり。

笑みの代わりに零れるは、儚き嗚咽と紅き夢。

愛しき者を抱く夢は、闇色に堕ちてゆく。



滑稽哉、然し乍ら。

幕は既に上がっている。

この狂気に塗れた活動写真は。

キャメラを壊しても動き続ける。



我の心が、彼の元に在る限り。

 

 

アイアマ推奨な奴です…。
私的哀牙さんイメージです。
恋に溺れた名探偵。
名探偵さんの恋って大変そう…。
幸せになってほしかったのですがね…。