照りつける日光が眩しいのか、微かに眉根を寄せて寝返りを打つ。
ちょうどこちらを向いたので、悪戯心で鼻先に口づけた。
深い眠りについているらしい彼は、全く起きる様子はなく。

立場上、そんな事で良いのか、と僅かに呆れるものの、
それだけ気を許してくれている事に対し、微かな喜びがあるのも事実。
口元に微笑みを湛えて、雲雀は、ディーノの寝顔を見つめた。
琥珀色をした髪が、陽射しを受けて綺麗に光るのが、少し眩しい。

そんな事を思いながら、頬に口づける。
二度三度繰り返しても起きないから、今度は直に口唇に。

ゆっくりと口づけて、触れただけで離れた。
柔らかい感触に、誘われるようにもう一度口づけようとした刹那。
「…寝込みを襲うなよ…」
寝起きで掠れたままの恨めしそうな言葉が耳に届く。
「…起きない方が悪いと思うけど」
しれっと告げると、憮然とした表情。
「誰のせいだ、誰の」
好き勝手しやがって、と呟く彼の鎖骨には鬱血の痕。

雲雀は、その鬱血の痕を辿るように、ディーノの鎖骨に口づけた。

「…ッ、」

その感触に、びくりと肩を竦めるディーノを見て。
雲雀は口唇を離すと、口元に、意地悪気な笑みを浮かべる。

「…そういう反応をする、あなたのせいじゃない?」

楽しそうに囁いた雲雀は、ディーノの髪に反射する陽射しを遮るように、
カーテンを引き直し、そのままディーノを組み敷いた。